「おかえり」を出発して茨木市にある追手門学院大学キャンパスに向かう。「母子世帯の居住貧困」の著者でコロナ禍前には何度も交流させて頂いた葛西リサさんを迎えにいく。相変わらずのスマイル満開、葛西さんが尼崎市立花にある市営住宅に案内してくれた。尼崎市が市営住宅を生活困窮者に コープこうべと支援団体が連携して一〇〇戸貸出す取り組みだ。

●待っていてくれたのは、コープこうべ地区本部長で貧困問題の解決に向けて地べたで奔走する前田さんと一般社団法人「officeひと房の葡萄(ぶどう)」代表理事の赤井郁夫さん、尼崎市は、4月から外国人や、シングルマザーやDVの被害者など保証人の確保が困難な人、自力で住宅を借りにくい人向けに、市営住宅の空き家を低額料金で貸し出す取組みを始めた。 尼崎市は、建替予定戸数800戸を有しており、今回、おおよそ半分の340戸を補助金の適正化法に基づいて、国交大臣の承認を経て、目的外使用している。耐震基準の問題などで建替えが必要で、入居募集を停止している26団地の中から状態が良い約100戸を提供。こうした団地は空室の増加や入居者の高齢化により、自治会活動に支障が出ていることが背景にある。尼崎市が提供するのは、空き室になっている市営住宅約100戸は、市営住宅の内の、状態の良い2DK~3DKの部屋をコープこうべが窓口になり様々な民間の生活困窮者らを支援する団体と協力して貸し出す仕組みをつくりだしました。コープこうべと地元の支援団体がコンソーシアムを組み、支援団体が、借りたいという希望を出せば、市とコープこうべとともに、連携して、適当な物件を選定していきます。家賃は通常、最低でも2万円~3万円かかりますが、築50年前後の部屋を未修理の状態で貸すため、支援団体への支払いは一戸当たり月6500円に抑えている。

●コープこうべではミャンマーからの、特定技能実習生のために、市営住宅の空室2部屋を就労支援の法人と連携して提供しているという。これは大事な話、仮放免の方の居住づくりに活用できる。この事例も前田さんが奔走したと聞いた。

●私たちが訪問した部屋で待っていてくれた代表理事の赤井郁夫さん、市営団地の2DKの部屋で、子どもの社会的居場所事業の施設ぐれいぷハウスを運営している。学習支援事業そのものよりも、学習支援事業を終了した高校生たちの中途退学防止と学習支援に軸足を移し、子どもの社会的居場所事業をメイン事業として、学習支援事業・哲学的対話事業、仕事づくりを行っています。 高校生だけでなく。小学生や中学生も来ていて、 インターンシップ事業を行っている。このような「居場所」が市営住宅の一角にある。団地には小さな公園や集会室もある。生協と支援団体が協同して市営住宅を借り上げる。団地の管理運営も引き受け老朽化と孤立を防ぐ。様々な居場所をつくるコミュニティづくり、東京でも良心的な区長がたくさんいる。同じような条件の団地がたくさんあるようだ。葛西さんにも情報を頂いて、東京でも取り組んでいきたいよね。ポイントは「本気のやる気」前田さんの話を聴いて確信した。