反貧困ネットワーク全国集会2023「武器よりくらしを!排除より連帯を!」

※※全国集会の録画映像や各報告の資料は以下のリンクをクリック↓※※

全国集会報告をグラフィックレコーディングで「焚き火で社会課題を解決する」阿部華奈絵さんがLIVEで書き上げてくれました。感謝です。

反貧困ネットワークは、2007年の発足以来、貧困が、労働や福祉の問題、国籍、性、障害、能力、年齢などを理由とする差別等、様々な問題と結び付いていることを指摘し、社会から排除された人々の生きる希望が奪われ、人間らしく生きる権利がないがしろにされている現状を変えなければならないと訴えてきました。貧困問題を社会的・政治的に解決し、人間らしい生活と労働の保障を実現させる事が普遍的な役割です。2008年以降、毎年全国集会を開催してきました。貧困拡大に歯止めをかけ、貧困問題を解決するために、これまで以上に様々な人々・団体とつながり、行動していかねばならないと考えています。

●セッション⓵では瀬戸から「反貧困ネットワーク・新型コロナ災害緊急アクション1年間の活動報告」外国人支援担当の原さんから「反貧困ネットワーク外国人支援の現状報告」をおこなった。

コロナ災害からほぼ三年、今年から様々な公的支援・貸付制度が終了しているが、反貧困が対応しているSOS件数は昨年度より増加している。仮放免など生存権を否定された外国人の窮状は更に深刻化、居住・生活・医療支援対応件数は更に増加、2023年度予算策定中だが、貧困問題の報道もされなくなり寄付金も減少している事から、大幅な赤字予算、それでも活動を止めることができないし、外国人の居住と生活を守る必要がある。続々と家を失う相談者が、、シェルターが足りない。来週も新規でアパート一棟借り上げる。公的支援がない状況下で民間支援団体の経済的疲弊は深刻になっている。

●セッション⓶では課題別報告が続いた。「入管法問題」「インボイス制度問題」「シングルマザー支援」「介護ヘルパー国賠訴訟」

*シンママ応援団の寺内さんの報告、想像を超える貧困状態、一人で子育てするのでフルタイム労働ができない。時給でのパート勤務、リストラで収入減、2022年夏からは物価高でさらに困難に追い込まれるスペシャルボックスはサポートの入り口。だから審査などしない。ここからながいお付き合いが始まる。“母はご飯を食べない、母の分のご飯はない”最低賃金、児童手当、児童扶養手当、生活保護など支える国の制度が足りていない。

*介護労働の現場状況を訪問介護ヘルパー国賠訴訟を伊藤みどりさんが報告、訪問介護現場での労働基準法の遵守されていない状態、介護職の賃上げは利用者負担に転嫁されている実態を報告、人手不足は国の責任、労基法違反は介護保険制度の欠陥が生み出している

●集会では入管問題に大きな時間を割いた。指宿弁護士が「入管法改悪阻止」のための闘いの激を飛ばす。指宿さんの情勢分析によると、4月13日衆議院本会議で法案主旨説明、法務委員会審議を開始、4月26日には委員会採決するという。

①阻止するのは大衆運動の力(社会的世論の力)

②阻止闘争を阻むものは、あきらめと妥協案(修正案)

③2021年を超える闘いをする。同じ闘いでは阻止できない。同じ人だけの闘いでは阻止できない

反貧困ネットワークでは困窮者支援・反差別・人権団体に呼びかけて入管法改悪阻止」のための闘いの場を準備したい。仮放免高校生奨学金プロジェクトの学生チューターで、日本生まれのガーナ人大学生のミラクルさんの訴え「私は日本生まれ日本育ちのガーナ人です。生まれた時から2021年まで在留資格がなく、そのうち11年間は仮放免でした。父は何も悪いことをしていないのに突然収容されました。入管では、母が両手両足に手錠をつけられ気絶している光景も見た。衝撃を受けた。今でも鮮明に覚えている。在留資格がないことで、将来の夢を諦めたり、親子が離れ離れになるということを痛感してきた。」支援している仲間やシェルターの仲間の多くが「送還忌避者」、の難民申請者、仲間を強制送還させるな。人の命を危うくする、入管法改悪はもうやめてください!

●セッション⓷の「貧困格差、分断と排除に抗する若者世代の叛乱」企画意図は、貧困問題を「社会的・政治的に解決し、人間らしい生活と労働の保障を実現させる事」と捉えている私たちの運動を若者世代がどのように捉えているのか討論していきたいからだった。登壇してくれた若者たちそれぞれが「現在の活動を始めたきっかけ」を語ってくれた。それぞれの生きづらさがあり、出会えた居場所から活動を始めている。親の貧困や虐待などの影響により「家に帰りたくない」「親を頼れない」若者たちが私たちの世代と比較にならない程に増えている。それぞれの方法で若者たちが参加しやすく安心できる場を創造ししている。大きな社会変革を展望するのでなく、身近にいる仲間の窮状や、直撃する不正義に対して身近な所から熱く社会を動かそうとしている。「自分と同じ思いの人をする人を少しでも減らしたい」焚き火で社会課題を解決する阿部華奈絵さんの視点、ガーナ人大学生のミラクルさんはいつも同じように私に話してくれる。ここから始まる。