12月5日、反貧困ネットワークが開催した緊急院内集会に約100名の方が参加され、国会議員の方々には17名(秘書の代理出席も含む)にご同席いただきました。下記、当日終盤に行いました集会宣言となります。
反貧困ネットワーク緊急集会 集会宣言
「差別と弱者の切り捨てを許さない~当事者からの叫び~」
自民・維新連立政権が発足した。高市首相は、「強い経済を作る」「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」「責任ある積極財政」などを打ち出した。しかし、貧困と格差、分断と対立の拡大、その中で、尊厳を脅かされている人々の声を正面から受け止め解決に取り組むという姿勢はまったく見えない。無償ケア労働の負担に喘ぐ人、奨学金という名の借金を背負い学費値上げに苦しむ若者、低賃金の非正規雇用を転々とし将来を見通せない労働者、低年金・無年金で物価高に喘ぎ医療費や食費を削る高齢者、違法に切り下げられた生活保護基準のもとで生存を脅かされている生活保護利用者、働く権利もなく医療からも排除され人間としての最低限の生存すら許されない仮放免状態の外国籍の人々。この国では、こうした社会的に弱い立場の人々への切り捨てや差別が加速している。
貧困と格差の拡大は、雇用の調整弁としての非正規雇用への置き換えを進め、財源難を理由に医療・介護、保育・教育、年金、生活保護などの社会保障制度の削減や自己負担増を進めてきたことが大きな要因だ。そして、不安定で低賃金な非正規雇用などの働き方を増やして生活不安を増大させながら、社会保障の対象者を選別して限定し、多くの人に自己責任・自助努力を求め続け、社会保障を脆弱にした結果、生活保護利用者など一部の者だけが優遇されているといった偏見やバッシングが広がり分断と対立が深刻化している。ところが、高市政権は、検証や総括もないまま「アベノミクス」を承継するとし、安倍政権下で強行され最高裁が違法と断じた生活保護基準引き下げを未だに是正しないなど、安倍政権下の政策を承継、推進する姿勢を見せており、このままでは安部政権下で悪化した貧困と格差が一層深刻化する。また、「違法外国人ゼロプラン」などの外国人に対する規制強化策は、外国人に対する根拠のない差別的言説を助長し、そうした差別の容認は、困窮者、高齢者、障害者などの社会的に弱い立場の人々への「差別」や「切り捨て」を一層加速させ、分断と対立をさらに深刻化させる恐れがある。
私たちは、高市政権に対し、当事者の声に真摯に向き合い、貧困と格差、分断と対立を生み出してきた要因をなくし、誰もが人間らしく生きられる連帯の社会を構築することを求め、仕組まれた分断と対立の罠に陥ることなく、それぞれが抱える個別の問題の枠を超えて「反貧困」という一点で団結し、連帯し行動することを宣言する。
2025年12月5日
反貧困ネットワーク緊急集会「差別と弱者の切り捨てを許さない」参加者一同
●開催日時 2025年12月5日(金) 16時~19時
●会場 衆議院第一議員議員会館大会議室
「国会議事堂前」 丸の内線、千代田線 1 番出口 徒歩 3 分
「永田町」 有楽町線、南北線、半蔵門線 1 番出口 徒歩 5 分
「溜池山王」 南北線、銀座線 5 番出口 徒歩 8 分
●参加費 無料
●主催 主催:一般社団法人反貧困ネットワーク
●問合せ:反貧困ネットワーク info@hanhinkonnetwork.org
090-7835-4477 担当 事務局長 瀬戸大作
◉ 開催企画
~ イントロダクション ~
・野戦病院と化した困窮者支援の現場からいまこそ必要な政策提起 瀬戸大作(反貧困ネットワーク事務局長)
・自民・維新連立政権の政策と問題点を突く 宇都宮健児(反貧困ネットワーク理事長)
◎当事者運動からの報告
・労働運動 『不安定な働き方を変える! 非正規雇用の入口規制を求めよう』 大椿ゆうこさん(元参議院議員)」
・生活保護 『いのちのとりで裁判全国アクション原告団』 障がい者/視覚障がい 古賀典夫さん(「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム)
・終末医療 白樫晴子さん(労働と生活を守る会)
・外国人 『強制収容でなく子どもの権利と在留資格を』 加藤美和さん(反貧困ネットワーク)
・住宅問題 『高島平タワマン化計画』 藤井豊美さん(住民参加のまちづくりを考える会@高島平)
・学生/若者 『学費と人権 JST-SPRING学費値上げ問題』 金澤伶さん(学費値上げ反対緊急アクション)
◎ クロストーク
『「日本人ファースト」にかき消されたロスジェネ対策、ロスジェネ世代から見た社会保障の終わりを防げ』
雨宮処凛さんと当事者のクロストーク
◎ 国会議員より
◎ 集会宣言 猪股正(反貧困ネットワーク理事 弁護士)
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