❶午後から全水道会館で、反貧困ネットワークの主催する「貧困ジャーナリズム大賞2021」の授賞式、実行委員会メンバーの尽力で無事に終了、私といえば、午前から深刻な相談者からの電話が連続、どの相談も緊急性が高くてシンポジウムの最後まで会場にいる事ができない事が事前に確定、土曜午後から終日のイベントがああっても、私たち実務部隊は緊急性に応じてSOSに向かう。夕方から私だけでなく阪上さん、原さんもSOSの現場に駆け付けた。「命を繋ぐ」事が仕事なんだ。ルポ「命の選別」誰が弱者を切り捨てるのか?でジャーナリズム賞を受賞された毎日新聞の上東麻子さんがシンポで、私と原さんの心情を代弁してくれた事は本当に救われた思いです。★具合が悪いのに参加してくれた、大切な仲間である、「コロナ禍の東京を駆ける」で受賞した、つくろい東京ファンドの小林美穂子さんの発言「駆けつけ支援を記録したかったのではない。困窮状態におかれてしまった相談者を追い返し追い込む福祉事務所の現状を告発したかった」福祉事務所に対応如何で相談者を殺してしまう事すらある。会場に来てくれた参加者に小林さんの真意は伝わっただろうか。ちゃんと読み込んでくれれば判るはずだ.★貧困問題への理解と意識を持ち、正確にかつ継続的に報道するなど、顕著な報道活動を行ったジャーナリスト個人を対象とした「貧困ジャーナリズム大賞」貧困の実態に関する市民の無関心や無理解、誤解・偏見とバッシングが止まらないなかで状況を招いてきました。ジャーナリストの活動を励まし、社会にもアピールする機会にしようという意図で始まりました。コロナ感染拡大以降の支援現場で当事者の痛みを我が事にように捉え、報道に留まらず、一緒に泣いて一緒に怒り、一緒に伴走までして頂いた記者やジャーナリストの皆さんと多く出会いました。そのひとりひとりの顔が浮かびます。共に怒りながら涙を浮かべながらペンで戦う。皆さんに敬意を表し表彰したい。今の私にとって誰を表彰するとか、順番を決める事はできない状況です。今回のジャーナリズム大賞で受賞された書籍でまだ読んでいない書籍を全て購入しました。じっくり読みこみ、著者の皆さんが何に怒り悲しみ、何を社会に訴えたかったのか考えたいと思います。
❷全水道会館を出発して避難の協同センターの世話人の熊本美彌子さんと待ち合わせした。 福島県田村市から避難した熊本美弥子さんは78歳、ひだんれんの中心で県との交渉などに当たり、東雲住宅(など国家公務員住宅の避難者に対する家賃の二倍の損害金請求問題に強く抗議し、原発避難者が安定した住まいを得られる仕組み作りを訴えている。相談者が待っている都心部にある都営団地に向かった。相談者は76歳のひとり暮らしの女性、聞いてみると別の都内の住居に避難している精神疾患を持っている息子さんと何の福祉的支援も受けれずに孤立していた。年老いた女性は満足に歩く事ができない。部屋の中はゴミ袋で足の踏み場がない。避難先の東京で誰にも頼る事ができなかった。申請主義の日本の福祉、SOSがなかったら、ゴミ袋に埋もれて孤独死していたかもしれない。週明けに自治体の福祉事務所に働きかけていく。原発事故から10年、悲しすぎる程の現実だ。
➌次は反貧困ネットワーク外国人担当の原さんと合流して城東エリアの荒川河川敷沿いのアパートに住む仮放免の外国人男性と日本国籍の女性の夫婦のSOSに向かう。男性は働く事も許されない。パートナーの女性はコロナの影響で仕事を失い今月から復職したばかりだ。生活保護も検討したが、男性は対象外、二人で一人分の生活保護費で暮らすしかない。入管は同居するパートナーが生活保護を利用する事で在留申請に不利になると恐れる。家賃が払えず、もうすぐ全ての水道光熱費が止められる。ささえあい基金での給付と家賃支援制度で緊急対応をおこなった。外国籍の彼は泣いていた。今日も民間支援で「命を繋ぐ」政治は何もしてくれない。「このままでは死んでしまうからささえあう」
❹最後は池袋で40代の男性からのSOS、野宿生活が長い。都内の食料配布会に歩いて回り命を繋いでいる。寒くなった東京の夜、公園で寝るのは辛いという。それでも生活保護は利用したくないと彼は言った。