❶足立区役所で「足立区生活保護廃止処分にかかる答申についての意見交換会」に参加しました。2020年10月にSOSを受けて、私と小椋区議が申請同行して生活保護の利用が決まっていた30代のアフリカ出身の日本国籍男性Aさんが失踪したとして、生活保護を廃止した問題、私たち新型コロナ災害緊急アクションなど支援団体が抗議、その後に職員が誤った判断をしたと認め謝罪、10月8日木曜日に保護決定したが、土日含むわずか4日「連絡取れず」で廃止、Aさんは携帯電話が使えない状態だったため、区の担当ケースワーカーは、8日と9日に生活保護の開始決定を伝える電話を一時宿泊先のホテルにしたとのこと。不在だったため、担当者はホテル職員にAさんあての「電話してください」とのメモを託し、週明けの12日にも電話をしたがつながらず、連絡もなかったため生活保護の廃止を決定、Aさんは同日夕方ホテルから追い出されました。この間、Aさんはホテルに宿泊しながら、毎朝、唯一の荷物であるリュックサックを持って仕事に出ており、メモも受け取っていましたが、ホテルの電話機からの外線の発信方法が分からず連絡できなかった。
21日には、Aさん本人、勤務先の上司と私たち支援者らが、福祉事務所長、担当課長、相談係長などと面会し、改めて失踪していない事実を伝えました。しかし、福祉事務所長は「適正な手続きにより廃止したもので取り消さない」という頑迷な姿勢に終始しました。事態を受けて27日に足立区長に対し抗議と要請を行いました。区はこの抗議を受け、弁護士の意見も聞いて検討、失踪と判断するには調査が不十分で廃止処分は誤りだったと結論づけ謝罪、長谷川副区長は、区の今後の対応について「なぜ判断ミスが起きてしまったのか、深掘りして調査したい。人権意識、保護制度の法的な理解に課題があると考える。研修を強化し、福祉職をできるだけ配置し専門性のある職員を育てるなど、適切な生活保護を運用できるよう取り組んでいく」と述べました。
●区では「足立区生活保護適正実施協議会」を設置、「生活保護廃止処分の取り消しに伴う再発防止策についての報告書」が答申され、区では6月までに再発防止策が方針化される事になりました。今日は私たちにも意見を聞くという位置づけ、この取り組みを評価し、改善に向けて取り組んで欲しいと考えます。
●答申では⓵失踪廃止の際に依拠すべき規程、マニュアルやチェックシートなどが不明確⓶失踪を理由とする廃止決定の事務処理に関するプロセスに関する問題⓷組織に関する要因(居住地がない被保護者の事案が少なく知見など蓄積のないケースワーカーの事務処理が慎重さを欠いた)⓸法令などの適切な理解と運用に関する要因(研修不足など)以上4点が改善課題として挙げられた。
●いずれにしても私たち支援者がAさんの勤務先連絡先も伝えていたのに確認、現地訪問もせずに保護決定から4日で廃止した事は法令上も違反である事、「居所がない被保護者への偏見」があった事は否めない。相談者をどう見るのか、保護する意味と責任は何か、人権上の視点、憲法25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」その為にどのような仕事をすべきか考えてほしい。そして無料低額宿泊所から失踪する被保護者が後をたたない要因のひとつである「施設収容生活が人権から見て多くの問題があるのに施設に丸投げしている」実状も改善してほしい。ケースワーカーの負担を適正化する事も必要です。今日はとても重要な第一歩だったと思う。
❷今日も足立区での意見交換会中もビジネスホテルに一時宿泊している相談者がコロナに感染、その後も高熱が続いている件で担当ケースワーカーと緊急協議、相談者から「もう死にたい」とのメールが連続して届く。日曜日に食料を届けにいく。回復しないと福祉事務所にも来れない。
➌夜は大田区にある女性シェルターを訪問、7月に生保申請同行して9カ月かかったけれどアパート転居できました。次の入居者が来週なので、反貧困ネットワークの若手スタッフが部屋のお掃除、ここのシェルターでも具合が悪い入居者がいるので食料支援、コロナ感染は収まっていない。今日も東京の夜を駆ける。