映像(UPLAN)
プレゼン資料
報告
❶文京区民センターで開催した反貧困ネットワーク全国集会2022は会場参加120名、ZOOM参加を含めると500名を超える参加で無事に終了しました。コロナ禍3年目。失業の長期化、所持金の枯渇、借金、滞納、医者に行けない、離婚など、様々な問題が複合化し、貧困から抜け出せず、自己肯定感を喪失し、孤立を深め、精神的にボロボロにされている人が増え続けています。ウクライナ危機で一層進む物価上昇が生活困窮者にさらなる追い打ちをかけ、自助・共助が強調され公的責任が後退したままの政策が続く中、当事者も支援者も疲弊し追い詰められています。2年以上で寄せられたSOSは2000件近く。そのうち83%がすでに住まいを失った人、半数近くがすでに電話が止まった人からのものです。今も連日「所持金ゼロ円」「何日も食べていない」といったSOSが続き、非正規雇用、女性や若者、在留資格を持たない外国人をはじめ、多くの人が生活に困窮し生存の危機に追い込まれる状態が続いています。ある福祉事務所から聞いた話だと最近、生活保護決定した半数以上が女性。この1週間、SOSが急増して対応しきれない状況にあります。女性も増えています。手に負えない状態にきています。駅の地下道にもホームレスの方の数が顕著に増えています。「助けてと言えない社会」。自己責任が喧伝され、社会の責任を個人に押し付け、生活保護をバッシングし、「底が抜けた支えのない社会」「どうしようもなく孤独な社会」。こんな社会をコロナ禍という災害が襲い、元々あった危機が、増幅され、浮き彫りになりました。
❷今日の集会構成では多くの時間を反貧困ネットワークの支援活動の多くを占める「生存権を奪われた外国人支援」に割いた。北関東医療相談会の長澤さん・ミャンマーのロヒンギャ難民・ミョウチョウチョウさんの報告、コロナ感染拡大は、在留資格を持たない外国人に大きな影響を及ぼした。入管収容施設内での感染拡大を避けるために、多くの仮放免許可が出た。反貧困の外国人担当の原さんの報告反貧困ネットワークでは、 相談会/緊急連絡相談(駆け付け相談を含む)緊急支援*生活費の補助(現金給付)⇦ささえあい基金*医療機関への紹介、同行支援*フードバンクや生活協同組合、その他の提携団体からの食料提供*緊急シェルターの提供、家賃補助や一時宿泊代(ホテル等)の宿泊代補助に取り組んできた。地域に出ていっても住む家もない、働くことも許されない、医療を受けることもできない。ともに生きる。でなければともに死んでしまう。ミョウチョウチョウさんは涙をこぼしながらの報告、「9年間仮放免。生活費が稼げない。自由な生活ができない。困っている人を助けることができない。自由に県外に移動できない、いつ収容されるかわからない。自分の人生、将来、何もかも失った。健康に不安がある。病院にいって一刻もはやく検査したい不安な症状がある」。「帰れない状況にある人々に、在留資格を出すよう求める。➔ウクライナの避難民受入れだけでなく、日本に既にいる同様の状況の人々への在留資格も求めていく。在留資格にかかわらず、人間として最低限の生活が保障を求める」
➌セッション2「地域連帯と協働の取り組み」それぞれの団体が個別に活動しても状況は変えられない。日本の生活困窮者や孤立を深める方々の福祉事務所の対応は「申請主義」そして追い返しの常態化、所持金100円と「死のうと考えたが死ねなかった」その段階でSOSが来る。そうならない前の「駆けつけ支援」最大化の取り組みを検討したい。
❹練馬あったかフードバンクの高坂さんの報告「困窮されている方への個別自転車配達の食料支援」ほんとうに困ったときは、生身の人間が助けに来てくれるという安心感。地域に助け合いのネットワークがあることの安心感。連絡のやりとりの中で、また「配達」で、その人の生活が垣間見える。困窮する人たちのリアルな実態を知ることができた。困窮は自己責任だと思っていたが、思い切ってSOSを出してみたら助けてくれる人がいた。コロナで生活が激変した人たち。毛皮のマフラーをしながら、紙おむつを手に涙ぐむ。家を買ったばかりの若いファミリーが、妻がパート収入激減し住宅ローンがきつい。ちょっとした支えがあれば何とかなる人も少なくないのだ。
❺九州などで生活困窮者自立支援制度の家計改善支援事業を受託しているグリーンコープが、生活再生貸付とは別に「かさじぞう基金」からの緊急貸付を実施している。1万円の範囲内で相談者にお渡しし、生活が立ち直ったときにはお返しいただくものです。(無利子・証書なしの窓口即決の貸付)生活困窮者自立支援制度の窓口で即日少額貸付できるようにする事で、今日明日に止められてしまう水道光熱費を繋ぐことで多くの命が繋がる。相談支援と貸付と食料支援をセットでおこなう事で生活再建に繋がっている事例も多い。財源はグリーンコープ生協の組合員や民間のカンパ、値上げラッシュから困窮者を守るために「生活保護費」の特別加算含め、公の責任として緊急に取り組んでほしい。
❻ワーカーズコープの藤田さん わくわくかんの若畑さんの協同労働の取り組み報告、ヨーロッパや韓国等では一般的な労働統合型社会的企業が、日本では制度として確立されていない。行政・政治の問題であるとともに、日本の社会運動・市民団体のより積極的な実践が必要 地域の協同組合や社会的企業やNPOが、社会福祉協議会、地域包括支援センター、地域の商店街などと連携・協同して、全体として大きな力を得ていくこと。ワーカーズが取り組み始めた「みんなのおうち」を共に創り出すこと
➐女性相談会から松元ちえさん「3人に1人の女性が精神疾患 & 精神不調」不安定な生活・︎労働問題(短期雇用、低賃金)暴力やハラスメント、孤独、孤立、自殺率の増加の問題を抱える。支援を求めるまでに至らない/求めてもいいんだ、という意識もない家族の世話や義務的役割や家庭内での暴力なども合わさった、外的内的要因のために支援にたどり着けない。女性にとって安心・安全な場所と、女性たちをエンパワーし、女性が勇気付けられる草の根の運動と連帯が各方面に拡大している
❽労働運動から全国ユニオン会長の鈴木さんが「物乞い主義の連合の現状」を厳しく糾弾した。韓国から「貧困連帯」のチョンソンチョル事務局長は、社会保障制制度と公共扶助(基礎生活保障制度)、チョッパン(小部屋住居)地域とヨンサン車両整備場の開発対応を中心に、政府や自治体にお願いする「物乞い」運動ではない、貧しい人々の権利宣言と連帯が貧困解決の端緒を作っていく運動を報告、「反貧困社会運動」で貧困撤廃のための社会的連帯を通して、貧しい人々も共に生きていける権利を獲得する運動を報告、私たちの運動が共助で終わる事なく、連帯の力で権利運動をつくりだす必要性を再認識できた。。「生きさせろ!」と声を上げ、自己責任の闇を打ち払いましょう。人間らしい生活と労働の保障を求め、人間の幸福追求や尊厳を互いに支え合う社会をつくるため、私たちは、これからも声を上げ、つながりを広げ、行動していこう。