❶本年3月11日、国家公務員宿舎から追われようとしている11名の原発事故避難者が、福島県の違法行為によって受けた精神的苦痛に対する損害賠償を求め、東京地方裁判所に集団提訴をしました。東電原発事故によって国家公務員住宅に避難区域外から避難した世帯に対し、福島県は、家賃2倍相当の損害金を請求し続け、退去届の提出を求め続けています。親族宅にも訪問して退去を迫り、家族の分断を図りました。原発事故被害者である避難者に対し個別に圧力を加え、追い込むことは、避難の権利のみならず、生存権・居住権の侵害に相当します。11名の避難者が、精神的賠償と居住権を求めて訴訟という手段に訴える事としました。

❷第一回期日は7月25日の13時30分(103号法廷)と決定しました。原告らの人権回復の提訴に対し、福島県は、訴えた避難者原告らを住居から退去させ、2倍家賃の損害金の支払を強制的に実現するために、原告らを提訴する議案を6月の県議会に提出するに至りました。勘違いしないでほしい点として原告たちは「通常の家賃は支払う。懲罰的な家賃二倍相当の損害金請求には応じられない」福島県は原告たちの通常家賃の受け取りを拒否していたのです。

➌原発事故で県外に避難した県民がどのような暮らしを送っているか。生活実態を調べもせず、一方的に期限を決めて〝自立〟を迫り、できない県民には「家賃2倍相当懲罰請求」や「親族訪問」などで追い込んだ挙げ句に〝明け渡し訴訟〟で国家公務員宿舎から立ち退かせる事は許されません。このままだと、居住権が侵害され、違法不当な損害賠償金が請求されることから、本日(6月29日)に東京地裁に「追訴」をおこないました。311提訴の慰謝料請求に加え、本日明け渡しと損害金支払いの義務のないことを確認する訴えです。

❹今日の「追訴」後に司法記者クラブで開催した記者会見に二名の原告が参加し、提訴に至る思いを発言されました。

「避難後は仕事が非正規で不安定なままだ。暮らしを続けるお金を貯めるのは困難で、2019年4月以降も住み続けざるを得なかった。その後に福島県からこれまでの使用料の2倍額を請求された。さらに、県の職員が福島の実家に行き恫喝に近いきつい言い方で親族に退去を迫られた。その上に、今回、県は明け渡しと損害賠償の裁判を起こそうとするので、私も提訴することにしました。」

「原発で避難したのはあくまで人災だと思っている。2017年4月からそれまで住宅は無償だったものが有償に変わったが、ほかに行き場はなく、県から脅されるような形で納得はいかなかったが有償契約した。東電の事故で避難したのにどうして家賃を支払って避難しなければならないのか常に考えていた。東京では何のつてもなく派遣で働いていたので、手取りは月約15万しかなく、そのなかからの家賃は大きな負担となった。その上、2倍請求となれば、福島に戻れと強制されているのか、東京で生活するすべを奪われているなと思った。提訴して闘っていく。」

❹今後のスケジュール

7月25日(月)13時30分 第1回口頭弁論があります。、東京地裁103号法廷(大法廷)です。大法廷は85名、法廷を支援者で満員にして原告たちを支えていきましょう。

15時より 第1回裁判の報告集会を開催します。衆議院第一議員会館衆1多目的ホールです。

7月15日(金)14時より 第1回口頭弁論に向け、院内集会を開催します。原告も参加して直接、支援を呼びかけます。場所は衆議院第一議員会館国際会議場です。

よろしくお願いいたします。