今日は「原発事故避難者住まいの権利裁判」第1回口頭弁論でした。

裁判を支援する会の事務局として103号大法廷傍聴席を支援者で埋める事ができるかとても不安でした。空席だらけでは次回からの口頭弁論では小法廷にされてしまう。多くの方が関心を持ち、原告である避難者の皆さんを応援している。福島県が「避難の権利」を奪い、居住権を侵害している事は人権上、許されないのだと広く訴えて司法を動かしていく重要な意味があったのです。本当に嬉しかった。傍聴席がほぼ満杯になっていたのです。福島からひだんれんの武藤類子さんと大河原さん、神奈川訴訟の皆さん、さようなら原発の皆さん、反貧困運動で繋がった皆さん、不安な気持ちで今日を迎えた原告を勇気づけたでしょうか。

●法廷での被告席には福島県も代理人弁護士も誰も座っていません。私たちを舐めきっていたのです。今回の裁判を担当した若い裁判長は誠実、この福島県の態度を胸に焼き付けたかのように予定時間を大幅に超えても、提出された福島県代理人弁護士からの

不誠実な答弁書に明確な反論を項目別に助言するかのように、原告側代理人に次回期日までに提出するよう細かく求めてくれたのです。「原告の置かれた環境は個別に異なり、県の対応もそれによって違うと考えられるが、その一つ一つについて裁判所は県に釈明を求めたい」裁判長がこうも言ってくれたのです。福島県や国が避難者の個別事情すら考慮せずに一律に支援を打ち切った事は人権上、大きな間違いを犯した。今後に期待できる発言でした。

⓵福島県知事が応急仮設住宅としての住宅無償提供を2017年3月31日で打ち切った②福島県が避難先で災害復興住宅を建設しなかった③2019年4月1日以降、福島県が原告らを不法占拠者として扱い、親族訪問などの嫌がらせをした―によって精神的苦痛を味わった。安倍政権は「2020年の東京五輪:を招致、成功させるという目標を掲げて、原発事故避難者の住宅支援を打ち切りと被害者の賠償打ち切りをすすめてきた。

●今日の法定で原告意見陳述にたったCさん「原発事故でばらばらにされた家族」「病気の治療を続けながら、やっと落ち着けた国家公務員住宅と、月給10万円でのパートの仕事」「僅かな収入と治療を続けながらの生活、新しいアパートを借りる経済的・精神的余力がない」「それでも都営住宅の入居要件外とされ、期限内に転居できないだけで二倍の家賃懲罰請求と退去強要、親族の住所を探しだし説得工作」マスコミは避難者が、賃料も支払わずに居座っていると報道、しかし原告は通常家賃は支払う事としているのに、福島県は受領を拒否してきた、」最後に「私は新たな生活の場を確保して、頑張ろうとしています。せめて裁判官に皆様には理解していただきたいと思います。」

●福島県は、原発事故被害者の「避難の権利」どころか「住まいの権利」さえ公助で保障せずに、自助=自己責任化したのです。「私は新たな生活の場を確保して、頑張ろうとしています。」何故、公が責任を持って住宅を提供しなかったのでしょうか。原告ら避難者は国際人権法上の『国内避難民』に該当し、国際人権法が国内避難民に人権として保障する『国内避難民の居住権』を有していること」を全く考慮しなかったのでしょうか。国は原発事故避難者を、あくまでも原発事故後の一時的な「施しの対象」として考え、、国が出す指示や命令、勧奨に従う対象としてしか考えてこなかった。原発避難者は受け身の存在。人権の主体として扱われてこなかった。「国が施しはやめる』と言えば、避難者はそれに従うしかない。経済的事由含め従うことができなければ、懲罰をおこない裁判で被告にして訴える。この裁判の目的は、福島県(国)が市民の人権を侵害していないかを問う裁判、いかに人権を踏みにじってでも強引に原発政策を進めようとしてきたか、福島県が「居住権」を考慮せずに住宅保障を放棄して国家に追随して県民の人権を侵害したのか、この裁判の目的は、国家が市民の人権を侵害していないかを問う裁判です。

居住の問題は日本では全く保障されていない。脱原発や原発事故被害者問題に取り組む運動だけでなく、反貧困や権利運動など、様々な社会運動に取り組んでいる人たちが、この問題で連帯していくようお願いしたい。

次回公判は、10月31日14時から。103号(大法廷)です。13時から地裁前行動をおこないます。引き続き傍聴席を一杯にしましょう。よろしくお願いします。